切ない恋心と空が引き起こす想い:『この空はトリガー』の歌詞を深掘り

=LOVEの13枚目のシングル、「この空はトリガー」。タイトルの通り、この曲では空が主人公の感情の引き金として描かれています。恋人のいる「君」に片想いする主人公の心の揺れが、空や日常の中のさりげない出来事を通して表現されており、その切なさが聴く者の心に響きます。この記事では、そんな主人公の心情をじっくりと掘り下げ、共感を呼ぶような視点で考察していきます。

1. 眩しい太陽が呼び起こす想い:突然湧き上がる恋心

「眩しい太陽を見上げた時/君に会いたくなった/この空がトリガー」

冒頭のこのフレーズは、何気ない日常の中で突然湧き上がる感情を描いています。太陽がまぶしく輝く瞬間に、ふと「君」を思い出し、その気持ちが一気に溢れ出す。この「空がトリガー」という言葉は、普段は隠れているけれど、ふとした瞬間に蘇る恋心を表しています。そんな日常の中に潜む特別な瞬間って、誰しも経験したことがあるんじゃないでしょうか。

2. 秘めた想いと苦しい現実:友達以上、恋人未満

「恋人がいるって 最初から知ってた/話の合う ただの友達」

「君」に恋人がいると知りながらも、どうしても抑えられないこの気持ち。友達として話が合うだけで、本当はそれ以上の感情を抱いているけれど、それを表に出せない辛さがここにあります。「ただの友達」というフレーズに込められた切なさは、胸が締め付けられるような気持ちを思い起こさせます。

「君に勧められた 映画の半券/手帳になんとなく挟んだ」

映画の半券を手帳に挟むこのシーン、何気ない行動だけど、その裏には「君」との時間を少しでも大切にしたいという気持ちが見え隠れしています。思い出の一部として手元に残しておきたい、でもそれ以上の意味を持たせないようにと自分を抑えようとする主人公の心情が伝わってきます。

「向かいのホーム 君と 目が合った/急行 電車 2人の赤い糸を/切り離す いじわるね」

目が合った瞬間に喜びを感じる一方で、すぐに現実に引き戻される。その瞬間、「2人の赤い糸」が切り離されるように感じる、そんな切なさが胸に迫ります。ここでの「いじわるね」という一言には、思うようにならない恋の苦しさが凝縮されています。

3. 忘れられない瞬間と日常の葛藤:記憶に刻まれた空

「青い空が綺麗だった日/あの日を忘れてない/目に映るもの全て」

このフレーズでは、主人公が特別な記憶を大切にしていることが描かれています。その日の空は、主人公にとっては特別で、目に映るすべてが鮮やかに記憶されているのです。でも「君」にとっては、ただのいつもの空に過ぎないかもしれない。この温度差が、片想いの苦しさをより一層感じさせます。

「これは君を想い作った/私だけの青春/あの空がトリガーだったよ/君が好きだ」

ここでは、主人公が「君」を思いながら過ごしてきた日々が「私だけの青春」として描かれています。「君」にとっては何気ない日々でも、主人公にとってはその一瞬一瞬が特別で、そのすべてが恋心に繋がっているのです。この部分には、主人公の深い想いが込められています。

4. 伝えられない愛とその苦しみ:抑えきれない感情

「あのバンドがついにツアーするって/一応2枚で申し込む」

この部分からは、主人公がまだ「君」との未来をどこかで期待している様子がうかがえます。「一応2枚で申し込む」という行動には、もしかしたら「君」と一緒に行けるかもしれないという淡い希望が込められているのでしょう。でも、それが叶うかどうかは分からない…そんな不安と期待の入り混じった感情が伝わってきます。

「あの映画はデートで 行ったのかな/集中できず 誰かの横顔とか/気にしたの? きっとそう」

「君」が誰かと映画に行ったのではないかと考えてしまう主人公の心境がここに表れています。集中できずに、他の誰かの横顔を気にしてしまう。片想いをしていると、こんな風に相手の行動に敏感になってしまうことってありますよね。嫉妬や不安、そうした感情が頭を巡り続ける、そんな苦しみがここに詰まっています。

「君は何も気付いていない/あの日の空模様も/君にはいつもの空」

「君」にとっては、あの日の空もただの日常の一部でしかない。でも、主人公にとっては特別な日であり、その空模様が心に焼き付いているんです。この温度差が、片想いの切なさをさらに強調しています。

5. 結局、何が言いたかったのか

「この空はトリガー」の歌詞は、片想いの切なさや、それを隠し通さなければならない苦しみを描いています。空というモチーフが、主人公の心情を象徴的に表現しており、聴く人に強い共感を呼び起こします。恋人のいる相手に恋をすること、その感情を隠さなければならないこと、その切なさや苦しみが、この歌詞の中で巧妙に描かれています。この記事を通じて、この楽曲に込められた感情の深さを感じ取っていただければと思います。