絶対的な愛とエゴ:=LOVE「絶対アイドル辞めないで」考察

「絶対アイドル辞めないで」は、=LOVE(イコールラブ)の17thシングルとして2024年7月にリリースされた楽曲で、すぐにファンの間で話題となりました。
この曲は、アイドルとファンの関係を描写したもので、その複雑で繊細な心理を巧みに表現しています。
特に、プロデューサーである指原莉乃が作詞したこの楽曲は、ファンの「エゴ」としての愛情と、アイドルの夢が交差する物語が描かれています。
この記事では、歌詞に登場する人物たちの心理描写を詳しく考察し、楽曲に込められた深いメッセージを探っていきます。

2. 歌詞に込められたメッセージと心理描写

アイドルという存在への強い執着

「絶対アイドル辞めないで」というフレーズは、ファンがアイドルに対して抱く強い執着を象徴しています。
歌詞には、「君はキラキラ衣装が似合う!」「絶対、大きなステージで輝いてほしい」という言葉が登場し、ファンがアイドルに対して持つ理想像が強調されています。
しかし、それが「ただのエゴ」であることも認識しているという点が、この楽曲の核心部分です。ファンは自分の欲求とアイドルの幸福を天秤にかけながらも、最終的には自分の願望を優先してしまうという心理が描かれています。

ファンの不安と葛藤

さらに、歌詞の中では、「星のいない空」という表現が用いられ、アイドルがいない生活の虚しさが描かれています。
推しの夢がアイドルではないと知った時のファンの心境を「覚悟はしてるから」という言葉で表現していますが、実際にはその覚悟が揺らいでいる様子がうかがえます。
アイドルの夢を尊重しながらも、自分の願望が叶わないことへの不安が透けて見えるこの部分は、ファン心理の複雑さを如実に表現しています。

強くも脆いファンとアイドルの関係

この曲では、ファンとアイドルの関係が「強くて脆い」と表現されています。
これは、アイドルがファンの期待に応えるために努力し、ファンがその努力を支えることで成り立つ関係性です。
しかし、どちらかが欠けると簡単に崩れてしまう儚さも同時に描かれています。
この歌詞は、ファンとアイドルの関係がどれほど特別であるかを改めて認識させるものであり、ファンとしての立場を再確認させるものとなっています。

メンバーのリアクション

=LOVEのメンバーである大谷映美里は、この曲について「戸惑いも少しあった」と語っています。
彼女は、この楽曲の持つメッセージ性の強さに驚きながらも、アイドルとしての責任を再認識するきっかけになったと述べています。
この発言からもわかるように、この曲はファンだけでなく、アイドル自身にも深い影響を与えていることがうかがえます。
特に、彼女はこの曲を通じて、自身の役割とファンとの関係を再評価したと感じています。

3. 結論とまとめ

「絶対アイドル辞めないで」は、アイドルとファンの関係の深さと、その裏にあるエゴを巧みに描写した楽曲です。
ファンがアイドルに対して抱く強い愛情は、時に自己中心的な欲求として表れることがありますが、それでもその感情は純粋であり、アイドルへのリスペクトが根底にあります。
この楽曲を通じて、ファンとアイドルの絆の強さとその脆さを改めて感じることができるでしょう。また、メンバー自身がこの曲に対して抱く思いも、ファンにとって大きな意味を持つ要素であり、これからもこの関係性を大切にしていくことが求められます。

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