CloudFrontとLambda@EdgeでwwwなしのURLを自動リダイレクトする方法
ウェブサイトのユーザー体験とSEO効果を最大化するために、一貫性のあるURL構造は欠かせません。
特に、www
なしのURLへのアクセスをwww
付きにリダイレクトすることは、GoogleのSEO評価にプラスの影響を与え、ユーザーの混乱を防ぐためにも重要です。
この記事では、AWSのLambda@EdgeとCloudFrontを使用して、シンプルかつ効率的にこのリダイレクトを設定する方法を解説します。
また、プロジェクトはGitHubのこちらのリポジトリで公開していますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
Lambda@Edgeでのリダイレクト設定の利点
Lambda@EdgeはAWSのエッジネットワークでコードを実行する機能で、ウェブリクエストを高速に処理できます。
この仕組みを使ってリダイレクトを行うことで、以下のような利点が得られます:
- 高速なレスポンス:ユーザーに最も近いエッジロケーションで処理されるため、待ち時間が短縮されます。
- SEOの強化:一貫性のあるURLにより、Googleの評価が向上します。
- HTTPSの推奨:HTTPからHTTPSへのリダイレクトも容易に行えます。
リダイレクトの設定手順
1. Lambda関数の作成
AWS Lambdaコンソールで新しいLambda関数を作成し、ランタイムとしてNode.js 18.xを選択します。
Lambda関数コード例(index.mjs
)
このコードは、www
なしのリクエストをwww
付きに自動リダイレクトします。
'use strict';
export const handler = async (event) => {
const request = event.Records[0].cf.request;
const headers = request.headers;
const hostHeader = headers.host[0].value;
if (!hostHeader.startsWith('www.')) {
return {
status: '301',
statusDescription: 'Moved Permanently',
headers: {
location: [{
key: 'Location',
value: `https://www.${hostHeader}${request.uri}`
}]
}
};
}
return request;
};
このコードをAWSコンソールのLambdaエディタに貼り付け、バージョンを発行します。
CloudFrontでLambda@Edgeを使用するには、バージョンが必須です【36】。
2. CloudFrontディストリビューションへの設定
- AWS CloudFrontコンソールで、使用するディストリビューションを選択。
- 「Behaviors」タブから、リクエストに適用するビヘイビアを編集します。
- Viewer RequestまたはOrigin Requestのイベントに、先ほど発行したLambda関数のARNをアタッチします。
- 保存して、変更がエッジロケーションに反映されるのを15~30分ほど待ちます。
テストとトラブルシューティング
テスト用イベントの作成
Lambdaコンソールで以下のようなテストイベントを使い、リクエストが適切にリダイレクトされるか確認します:
{
"Records": [
{
"cf": {
"request": {
"headers": {
"host": [
{
"key": "Host",
"value": "example.com"
}
]
},
"uri": "/test-path",
"method": "GET"
}
}
}
]
}
CloudWatchログの確認
Lambdaの実行結果やエラーはCloudWatchに出力されます。
ここで、リダイレクトが正しく動作しているか確認できます【37】。
トラブルシューティング
- リダイレクトループの回避:
- S3バケットや他のサーバーで同じリダイレクト設定が重複していないか確認しましょう。
- IAMロールの権限エラー:
- Lambda関数に
AWSLambdaBasicExecutionRole
とAWSLambdaEdgePolicy
がアタッチされているか確認してください。
- キャッシュの問題:
- CloudFrontのキャッシュによって設定が反映されない場合は、キャッシュの無効化を行い、変更を即座に適用します。
まとめ:一貫性のあるURLでSEOとユーザー体験を向上
このブログ記事では、AWSのLambda@EdgeとCloudFrontを使用して、www
なしのリクエストをwww
付きにリダイレクトする方法を解説しました。
以下が主なポイントです:
- 高速処理:Lambda@Edgeを使うことで、エッジから迅速なリダイレクトを実現します。
- SEOの向上:URLの一貫性がGoogle検索での評価を高めます。
- GitHubリポジトリ:このプロジェクトの詳細はこちらのリポジトリで公開しています。
この設定を今すぐ実装し、サイトのパフォーマンスを向上させましょう!